引き出し・かぶせ板のメリット

引き出しを作る際に、引き出しの中身をロの字で作って、正面に幅広の板をつける手法がある。これがかぶせ板と呼ばれるもので、引き出しを作成していた初期のころは、メリットが分からなかった。

なにせ、前板を余分に作るわけなので、費用・労力もかかるからだ。ところが、この前板(かぶせ板)を使う方法は、思考錯誤しているうちに、かなりメリットのある方法だと納得した。

まず、スライドレールが左右で、数ミリずれたとしても隠してしまえる。さらに、ローラーがついている底付けスライドレールは、引き出しの底に、5ミリくらいの空洞が必要になる。この分を前板でカバーできる。
 
また引き出し(中身)の高さよりも前板を高くすれば、ローラー付きスライドレールの脱着が可能になる。

外すためには、傾けて持ち上げないといけないので、その分のスペースが必要になるからだ。つまり、引き出しのお尻が下がる空間の余裕を作れる。

そして、引き出しの側板よりも高さの大きなものを収納できる。

ざっと挙げればこんなメリットがある。ただし、かぶせ板を付ける場合は、上下のかぶせ板どうしが接触しないように、2ミリ程度間隔を開けないと、摩擦で引き出しが開かなくなる。脚のついたキャビネットでは気づきにくいが、最下層の引き出しが床に接触していると開かない。扉も同じで、床から数ミリ間隔を開けないと可動しない。